<旅日記>青春33 その6
いよいよ今日は7thFloorライブ。
佐藤ヒロタカ氏と2人編成で臨みます。
会場でお会いしましょう!
* * *
さあ、
旅日記もいよいよ最終回!
ひっぱっちゃってスイマセンでした。
旅気分味わってもらえていますか?
富山、朝から強い日差し。
路面電車に別れを告げ、高山本線で岐阜を目指すことにしました。
実は、この旅最大の山場(←僕的に)がこの日でした。
なぜこの路線に乗りたかったのか、というと、
平成16年10月の台風で、高山本線は壊滅的な被害に遭ってしまい、一部路線がこの3年間不通となってしまっていました。
しかし復旧作業を経て、この9月8日よりめでたく全線開通。分断されていた路線が繋がるとの知らせを目にしました(時刻表にも、ずっと「バス代行輸送のお知らせ」の注意書きが書かれていた)。
逆から考えると、現在バスで代行輸送が行われている駅間の風景(駅前と道路ですが)は、もう二度と味わえない。これは逆にチャンス!と思い、8日の全線開通を前に、この場所を訪れることにしたのです。
富山から猪谷駅までは、頼りない一両編成でコトコトと山を登っていきます。
朝陽に照らされた山肌を見ていたら、ニホンカモシカと目が合いました(写真は間に合わなかった・・残念)!なんだか奇跡的な感じだ。
猪谷駅到着(じいちゃんをどうしても入れたかった)。
駅前で待っていると、濃飛バス(普通の観光バス)がやってきて、乗客を乗せていきます。
乗客は、総勢15名くらい。この人数なら、鉄道より機動力のあるバスで十分まかなえてしまう。それ以前に、時間も到着場所も思いのままに移動できるクルマをほとんどの地元の人が利用していて、利用者は数少ない旅人か、学生かお年寄り。寂しいけど、味わい深い地方の赤字ローカル線がどんどん廃止になってしまうのも、頷ける気がしました。
いつか、こうやって旅情を感じながら列車の旅をすることはできなくなってしまうのだろうか。
旅をモチーフにした素敵な歌たちが、日本には沢山ありました。その多くがきっと、列車や、駅の場面を介しての別れ、望郷、恋愛、決意・・そんな多くの感情を表現してきたと思うんです。切なさや、温かさが駅に溢れていた。
クルマ中心の社会になって、個人(個室)主義的な便利で快適な価値観が主流になってきたのかもしれない。けど僕は、そんな日本に残っている美しい原風景を、心に焼き付けておきたかった。そんな思いで、鉄道の旅に出たくなるのかもしれないなぁ・・とそんなことを思いながら、代行バスによる約1時間の道路の旅を終え、乗り継ぎの角川(つのがわ)駅に到着したのでした。
接続の列車が来るまでの間、角川駅の駅員さん(多分このおじさんが駅長さん)が旅人に、当時の台風被害の状況や、復旧までのスケジュールや、駅周辺の観光案内や、改札を行いますというアナウンスや(←これがメインの仕事だと思います)冗談や世間話、駅で飼っている鯉のこと、いろんな話を、一人でてきぱきと作業をしながらされていまして、その忙しいさまがどこか嬉しそうで、僕はそれにずっと耳を傾けていました。
乗客以外にも駅の利用者がいて、僕の横をすり抜けていった。家族。跨線橋を渡った向こう側に鳥居があり、その脇に墓地があったんですが、時期がちょうどお盆という事もあり、お母さんと子供たち数人が、お墓参りをするので通りたいということらしい。花束を抱えながら入場の会釈をし、駅員さんはどうぞ、と、にっこり会釈で通したりしていました。
9月7日、代行輸送のバスが来なくなったとき、この方は、寂しくなるかもしれない。この山間の小さな駅で乗り降りする多くの旅人や地元の人はいなくなり、こんな風にして慌ただしくお話する時間も、もう、ないのかもしれない。そんな風に思ったら、なんだか泣けてきて、高山・岐阜方面へ向かう列車が発車するまで、その駅員さんを見つめていました。元気で、と心で手を振りながら。
高山と美濃太田で乗り換え、岐阜を目指します。
日に数本の列車は子供たちにとっても一大イベントらしく、畑の隅や踏切や駅で待ち構えながら全力で手を振ったり、(すげえうるせぇ!)とばかりに耳を塞いだりしながら、列車の通過を目で追っていました。夏だなぁ。
シューッと音を立ててあったまる高山牛の駅弁(←保温式の弁当にも慣れた)をつつきながら、夏の山道を行きます。ああ夏よ、終わるな。
・・気がつくと、眠っていました。
岐阜駅に到着。
急いで荷物をまとめ、乗り換えのホームに走ると、
そこには、新型の新快速が。
今までとは違うスピード感と、乗客の「街」感にたじろぐ。
もとの自分にだんだんと修正していく。
途中武豊に寄り道しつつ、豊橋、浜松、静岡と乗り継いで帰路を急ぎます。東海道線で関東へ戻る前に、今回の旅で感じた色んな景色、色んな気持ち、出会った色んな人との色んな会話とかを整理する。写真とかメールとか調べもので駆使しまくった携帯の電池が切れてしまう。終わってみればあっという間だったなぁ。そしてこのうえなく贅沢な時間でした。
時刻表に自分が通った道を黄色く書いたマーカーの線を指でなぞりながら、キンキンに冷えて最高ののどごしの缶ビールを2本、飲み干したのでした。
(おしまい)
2007年08月30日 00:21
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